約束のキミを。
第一章~出会い~

私と大切な人

「大丈夫?」

心配そうに、顔を覗き込まれる。

「え?あ、うん。ごめん。ぼぉーとしてた。」

私がニッコリと微笑むと安心したように、優しく笑い返してくれた。

私の名前は、西園寺 美空(さいおんじ みく)。今年から、高校一年生のはずだ。

微妙なのは、私がずっと学校に行ってないから。

私は、生まれつき心臓が悪くて、体も弱い。小さい頃からずっと入院している。

「ならいいんだ。美空、あんまりムリするなよ。」



そう言って、優しく私の頭をそっと撫でるのは、二歳年上の、西園寺 和斗(さいおんじ かずと)。
私のいとこだ。


和斗は、私立の名門高校に通う、高校三年生。


生徒会長をしていて。成績はいつもトップ、バスケ部のキャプテンで、176cmある長身で、顔立ちもすごく綺麗。テレビで見る俳優さんに負けないくらいにかっこいい。私の自慢のいとこ。

ただ…。


頼りになる、リアル王子様みたいな生徒会長の和斗も、私の前では、豹変する。



例えるなら、シスコンのお兄ちゃんみたいに!


親ばかみたいに過保護でメチャクチャ私に甘い。

モテるはずなのに、私にかまってばかりで、彼女も作ろうとしない。
むしろ、心配になるほどだ。





でも、そんなところも含めて私は和斗を、尊敬してるし、大好きだ。

               





      私には、なくてはならない存在。
           私の、大切で特別な人。





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