約束のキミを。

ぬくもり

私が、動けずにいると

「おい!?大丈夫か?」

勝くんが、顔を覗いてくる。




「え!?あ、うん…。いつかはこんな日が来ると思ってたしね!」

「でも、お前…。」

勝くんが遠慮がちに呟く。


あっ…。


いつの間にか、涙が出ていた。音もなく流れる涙…。あぁ、やっぱり、寂しいよ…。なんで、レンはもっと早く言ってくれなかったの?

「とりあえず、涙拭けよ。」
そう言って、勝くんは私にティッシュケースを差し出す。

「ありがとう。」

私は、そっと涙を拭った。


勝くんはそっと、私の頭をなでた。
優しくて、温かい手…。

きっと、千奈ちゃんはこの温かい手を誰よりも先に知ってたんだろうな…。






「あと、2日しかないんだぞ、めそめそするなよ!」

口調はきついけど、勝くんが、私の事を気にかけてくれているのが伝わってくる。

その、優しさが私の涙腺を余計に緩めてしまう。


「勝くん…。ごめん、泣いていい?レンが退院するまで泣かないから…。ここで泣かせて…。」


勝くんは、何も言わなかった。

だけど、私は、一人で泣いた。レンが戻ってくるまでは泣いていいよね。




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