約束のキミを。
病院探検
私とレンが、病室から出ようとすると
「まってぇー!ちなも行くぅー」
眠そうに、目をこすりながら、千奈ちゃんが言った。
「あれ?千奈ちゃんもう起きちゃったの?」
私が、びっくりして言うと、千奈ちゃんはお気に入りのウサギのぬいぐるみを握りしめて、
「ちな、眠くないもん!みくねぇちゃん一緒に行くー!」
千奈ちゃんは、私の事を『みくねぇちゃん』と呼ぶ。
勝くんの事は『まさにぃちゃん』。レンの事は『レンにぃちゃん』。
本当にかわいい!
よしよしと、レンが千奈ちゃんの小さな頭をなでる。
「じゃあ一緒に行こか!」
「うん!レンにぃちゃん!」
千奈ちゃんは、嬉しそうにニッコリ笑うとレンと手を繋いだ。
昨日、入院してきたばかりだというのに千奈ちゃんとレンは、すぐに仲良くなった。千奈ちゃんは甘えん坊だし、レンも小さい子が好きみたいだ。
レンは、事故で足を怪我して手術をして、ある程度治るくらいまで入院するらしい。
松葉杖のコツコツという音と、千奈ちゃんの点滴のカラカラと引きずる音が響く。
「ここは、4階。主に小児病棟だよ!
小さい子がたくさんいるし、絵本とかも置かれてるし、子供用のおもちゃコーナーとか!」
私が、説明すると
「マンガとかもある?」
「あるよ!」
「やった!」
嬉しそうに、レンが笑う。
「じゃあ、移動しよっか」
私達は、近くのエレベーターに乗る。
「ここは、5階産婦人科だよ!」
産まれたばかりの赤ちゃんがたくさんいる。
「かわいいねぇ」
千奈ちゃんが、目をキラキラさせて言った。
千奈ちゃんも十分かわいいんだけどなぁー。
また、移動。
「ここは、5階。一般の人の病棟だよ」
「けっこう広いんだなぁ」
レンは、驚いている。
「この上は、屋上なんだよー!」
「屋上ってサッカーできる?」
レンは、また目をキラキラさせて聞いてくる。
「サッカーって…。レン、今は怪我人でしょ!」
また、移動。
「ここは、3階。外科、耳鼻科、整形外科とか手術室があるよ!」
「あ、ここで手術受けた!」
レンが、思い出したように言う。
「でもね、ここの階でるらしいよー」
私が、ニヤニヤして言うと
「でるって、もしかして……。ホラー苦手なんだよー!やめろ!」
「もう、男の癖に弱虫」
私がからかうと、レンはまたむくれる。
また、移動。
「ここは2階。レントゲン室とか集中治療室とか、院長室があるよ!」
「ちなねぇー!院長室大好きー!」
ちなちゃんが、にっこり笑う。
「どうしてー?」
私が聞くと、
「だって、院長先生いつも、ちなに飴くれるもん!」
嬉しそうに、はしゃぐちなちゃんは、やっぱり最高にかわいい。
「最後が1階。外来のの患者さんの診察室とか、受付とか、自動販売機とかもここにあるよ!あと、売店とか!」
「ちな売店でお菓子買うぅ」
そう言うと、売店にてこてこ歩いて行ってしまう。
「へー。売店とかあるんだな!ほとんど病院とか行ったことないから、いろいろ驚き!売店行ってみたい!!」
もう、レンたら…。反応が千奈ちゃんと変わんないじゃない!
「うん!行こっか」
売店には、お菓子、新聞、軽食、飲み物、狭い店内にギチギチにいろんなものが置かれている。
「ちなねぇー。グミ大好きなのぉ」
千奈ちゃんは、キャラクターのグミを握りしめている。
「じゃあ、売店のおばちゃんに買いますって言っておいで!」
私が言うと、千奈ちゃんは会計しに行った。
「みくはどんなお菓子が好きなの?」
「チョコだよ!チョコ系ならなんでも好き」
私が、レンに言うと、
「俺も甘いモノめっちゃ好き!なんか買おうかな」
「私もー」
みんなでお菓子を買って、部屋に戻る。
それだけのことなのに、なぜか楽しいかった。
「んー。おいしぃー!ほっぺが落ちるぅ」
千奈ちゃんが両手でほっぺを包む。千奈ちゃんは、いつも美味しそうに食べる。
「千奈ちゃん、幸せそうだね♪」
私が言うと
「みくも、人のこと言えないよ!みくも幸せそうにチョコ食べてんじゃん!それに、口にチョコついてる」
レンが笑いながら言う。
なんて事ない会話、なんて事ない笑い。
些細な会話ひとつが、特別な気がした。
楽しかった。
こんなに楽しいのは久しぶり。
病院なんて大嫌いだった。
だけどまるで自分ので自分の家みたいに案内して、その度にレンが興味しんしんに聞いてくれるのが、素直に嬉しかった。
「みく」
名前を呼ばれる。
「ん?」
「ありがとう!」
レンはキラキラの笑顔でそう言った。
「まってぇー!ちなも行くぅー」
眠そうに、目をこすりながら、千奈ちゃんが言った。
「あれ?千奈ちゃんもう起きちゃったの?」
私が、びっくりして言うと、千奈ちゃんはお気に入りのウサギのぬいぐるみを握りしめて、
「ちな、眠くないもん!みくねぇちゃん一緒に行くー!」
千奈ちゃんは、私の事を『みくねぇちゃん』と呼ぶ。
勝くんの事は『まさにぃちゃん』。レンの事は『レンにぃちゃん』。
本当にかわいい!
よしよしと、レンが千奈ちゃんの小さな頭をなでる。
「じゃあ一緒に行こか!」
「うん!レンにぃちゃん!」
千奈ちゃんは、嬉しそうにニッコリ笑うとレンと手を繋いだ。
昨日、入院してきたばかりだというのに千奈ちゃんとレンは、すぐに仲良くなった。千奈ちゃんは甘えん坊だし、レンも小さい子が好きみたいだ。
レンは、事故で足を怪我して手術をして、ある程度治るくらいまで入院するらしい。
松葉杖のコツコツという音と、千奈ちゃんの点滴のカラカラと引きずる音が響く。
「ここは、4階。主に小児病棟だよ!
小さい子がたくさんいるし、絵本とかも置かれてるし、子供用のおもちゃコーナーとか!」
私が、説明すると
「マンガとかもある?」
「あるよ!」
「やった!」
嬉しそうに、レンが笑う。
「じゃあ、移動しよっか」
私達は、近くのエレベーターに乗る。
「ここは、5階産婦人科だよ!」
産まれたばかりの赤ちゃんがたくさんいる。
「かわいいねぇ」
千奈ちゃんが、目をキラキラさせて言った。
千奈ちゃんも十分かわいいんだけどなぁー。
また、移動。
「ここは、5階。一般の人の病棟だよ」
「けっこう広いんだなぁ」
レンは、驚いている。
「この上は、屋上なんだよー!」
「屋上ってサッカーできる?」
レンは、また目をキラキラさせて聞いてくる。
「サッカーって…。レン、今は怪我人でしょ!」
また、移動。
「ここは、3階。外科、耳鼻科、整形外科とか手術室があるよ!」
「あ、ここで手術受けた!」
レンが、思い出したように言う。
「でもね、ここの階でるらしいよー」
私が、ニヤニヤして言うと
「でるって、もしかして……。ホラー苦手なんだよー!やめろ!」
「もう、男の癖に弱虫」
私がからかうと、レンはまたむくれる。
また、移動。
「ここは2階。レントゲン室とか集中治療室とか、院長室があるよ!」
「ちなねぇー!院長室大好きー!」
ちなちゃんが、にっこり笑う。
「どうしてー?」
私が聞くと、
「だって、院長先生いつも、ちなに飴くれるもん!」
嬉しそうに、はしゃぐちなちゃんは、やっぱり最高にかわいい。
「最後が1階。外来のの患者さんの診察室とか、受付とか、自動販売機とかもここにあるよ!あと、売店とか!」
「ちな売店でお菓子買うぅ」
そう言うと、売店にてこてこ歩いて行ってしまう。
「へー。売店とかあるんだな!ほとんど病院とか行ったことないから、いろいろ驚き!売店行ってみたい!!」
もう、レンたら…。反応が千奈ちゃんと変わんないじゃない!
「うん!行こっか」
売店には、お菓子、新聞、軽食、飲み物、狭い店内にギチギチにいろんなものが置かれている。
「ちなねぇー。グミ大好きなのぉ」
千奈ちゃんは、キャラクターのグミを握りしめている。
「じゃあ、売店のおばちゃんに買いますって言っておいで!」
私が言うと、千奈ちゃんは会計しに行った。
「みくはどんなお菓子が好きなの?」
「チョコだよ!チョコ系ならなんでも好き」
私が、レンに言うと、
「俺も甘いモノめっちゃ好き!なんか買おうかな」
「私もー」
みんなでお菓子を買って、部屋に戻る。
それだけのことなのに、なぜか楽しいかった。
「んー。おいしぃー!ほっぺが落ちるぅ」
千奈ちゃんが両手でほっぺを包む。千奈ちゃんは、いつも美味しそうに食べる。
「千奈ちゃん、幸せそうだね♪」
私が言うと
「みくも、人のこと言えないよ!みくも幸せそうにチョコ食べてんじゃん!それに、口にチョコついてる」
レンが笑いながら言う。
なんて事ない会話、なんて事ない笑い。
些細な会話ひとつが、特別な気がした。
楽しかった。
こんなに楽しいのは久しぶり。
病院なんて大嫌いだった。
だけどまるで自分ので自分の家みたいに案内して、その度にレンが興味しんしんに聞いてくれるのが、素直に嬉しかった。
「みく」
名前を呼ばれる。
「ん?」
「ありがとう!」
レンはキラキラの笑顔でそう言った。