約束のキミを。
初めての毎日
探検した日から、一週間が過ぎた。
毎日が楽しい心から思ったのはいつぶりだろう…。
ううん。こんな風に思うのは初めてかもしれない。
あっという間の1週間。
千奈ちゃんに絵本を読んであげたり、
レンと千奈ちゃんと三人で、売店にお買い物に行ったり、
おままごとをしてあげたり、
レンと千奈ちゃんがムリヤリ嫌がる勝くんを巻き込んで、ヒーローごっこしてるのを見たり、
レンと二人で、屋上に行って、おしゃべりをしたり、
寝る前に勝くんと千奈ちゃんとレンと私の四人で、トランプしたり、
3階に、四人で肝試しに行ったり、本当に毎日毎日楽しかった。
今日は、和斗が来る日だ、いっぱいいろんなお話をしてあげよう。
和斗にレンを早く紹介したい!きっと和斗をも喜んでくれる!
ガラッ
ドアが開いて、和斗が入ってくる。でも、残念なことに、今レンは、検査中でいない…。
「おはよ!和斗!!聞いて聞いて!前のベッドに新しい子が入ったんだよー!」
私が、ニコニコしながら言うと、
「ん?なんか美空、珍しく楽しそうだな」
和斗が微笑む。
「うん!あのね!同い年でね、風谷 蓮太くんっていうんだよ!」
私が、そう言うとなぜか、和斗は顔を曇らせた。
「蓮太って、サッカーしてるやつか?」
「そうだよ!いつも、サッカーボール持ってるもん!もしかして知り合いなの?」
「あぁ。知り合いだよ。俺、小学校は私立じゃなかったから、蓮太とは同じ小学校だったんだ。学年はあいつのほうが下だったけど、よく覚えている。」
和斗は懐かしそうだ。
「仲よかったんだね!」
なんだか、嬉しかった。もうすでに、和斗とレンが仲良しだったなんて…。
「いや…。仲は良くなかったな。あいつすごく運動神経良かったんだけど、俺に勝てなくて、いつも競争心燃やしてた。学年違うから、あたりまえだと思うんだけど、バスケもバレーも野球も持久走もなんでも、勝負しようとしてきて…。俺も加減しなかったから悪いんだけどな。」
和斗が、苦笑気味に言った。
なんだか、意外だった。だって、レンふわふわしたイメージがあったから…。
「でも、レンはサッカー上手いでしょ?」
「上手いよ。めちゃくちゃ上手い。あいつより上手いやつなんて、俺は見たことないな。高校も推薦が来てたって噂で聞いたしな。あいつなら、プロになれると思うくらい。」
和斗は、軽く笑った。
「でも、本当にあいつは、すごい実力を持ってるし、努力家だしほんと羨ましい。」
そう言った、和斗は本当に羨ましそうだった。