FEEL《上》
「君にも言いにきたんだ。」




先程よりも男の声が高くなったのがわかった。




「……何。」




律は興味なさそうに男を見つめる。




「さっき襲われていた女の子は篠桜組の愛娘……篠桜の奴らがここに来る。」




え………。


それを聞いた途端、思考が停止した。


本職の奴らは今までここの出来事は黙認していたのに……。


身内の人間だったら話は別ってか。



そもそもここのルールは奴らが作ったようなもんなのに。



まぁ確かに本職が出入り禁止というわけではないけど、間違いなくめんどくさいことになる。




「……行くよ。」




律もめんどくさそうにそう言うと歩き出した。


私も慌ててその後についていく。

なぜか男も。




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