FEEL《上》
そして、ちらりと大和の方を見ると、なぜか口元に笑みが浮かんでいる。




「俺、誰かわかったわ。」




そう言った途端、
聞こえてきたのは叫び声のようなもの。


これは………言い争い?


女の人がほぼ一方的に言っているように聞こえる…。


大和が入り口に向かって歩き出したので、慌てて後に続く。


だんだんと女の人の姿が見えてきた。





あとはもうほとんど覚えていない。


考える間もなく、ダッシュで駆け寄り、3人のうちの1人に飛びつく。




『咲耶さんっ!』


「あっれぇ!サナじゃん!」




相変わらずとても綺麗な黒髪が印象的な咲耶さん。


切れ長の目に白い肌。
律に負けず劣らずなこの美人さんはゴウのお姉さん。




「うわ、また美人になったねぇ。」


『そんなことないです。』




咲耶さんと喋っているだけで笑顔が止まらない。

私と紫雲は大の咲耶さんファンだ。
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