FEEL《上》
「いきなり押しかけてすみません。まだ結成したてと伺ったもので、こちらの世界を教えて差し上げようと思いましてね。」




男はにやにやしながら俺たちを見る。

俺たちに勝てるとでも思ってんのか。

どこからそんな自信が湧いてくんだよ。


俺はため息をつくと、大和を見た。

大和は無表情で男達を見ると、
手に持っていたボタンを押した。


バンッと音がすると、建物の電気が全て消える。


俺たちは暗闇でも見えるメガネを付け、階段を降りる。


いくら夜道を走ってきたとはいえ、
この建物の電気は一際明るい。


いきなり暗くなったら目が慣れるまで時間がかかる。




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