FEEL《上》

暗闇の中の”無”

”無”side

———遡ること20分前。




「最悪だ、最悪だ。なんで、あれを迎えに行かなきゃなんねぇんだよ。」



「ちょっと……もう一つの顔が出ちゃってんよ…。」




隣にいた女が小声で男に囁く。




「うっせぇ、黙っとけ。」



『……連絡…なんて?』




私の問いかけに、女の方が私を見た。




「あれ?律には言ってなかったっけ?」




この言葉に男が話を続ける。




「っと……、挑発されて、キレて暴れてる。」



『最悪。』



「同じく。」



男は心底嫌そうな声で言った。



そんな時だった。




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