WANTED
変哲
「瑞希ー、早く帰るぞ?」
「あーうん、今行く」
かばんを肩に掛けて教室を出ると、友人が待ってた。
いち早く学校の外へ出ると、じりじりと日が肌を焼いていく。
「うわぁ、あっつ…」
「アイス買ってこーぜ」
「幸二おごってくれんの?」
冗談混じりに言うと、とぼけた顔をして、
「え、俺がおごんの?瑞希じゃなくて?」
「なんで俺なんだよ、自分で買え」
「瑞希もな」
そういってコンビニに入ると、アイスを買って公園のベンチに座る。
「そういえばさ、生活指導の河上いるじゃん?」
「あー河上ね」
「今年で辞めるんだってさ」
「へぇ、そうなんだ」
アイスを食べながら答えると、幸二がこっちをみた。
「なんだよそれ、寂しくねぇの?俺結構あの先生好きだったんだけど、おもしろいし」
「え、別に普通…たしかに良い人だけど」