地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
「どうして土曜日はマンションに居なかったんだ?料理も洗濯も風呂掃除もしていたのに居なくて、電話してもラインしても連絡取れないし、玲美の家に行っても帰ってきてなくてどれだけ心配したか。何があったんだよ?」
「いいたくない……何があったか自分で考えれば?それとコレ、返すね?私にはもう必要ないみたいだし」
そう言ってマンションの合鍵を返した。
「はっ?意味がわかんねぇ。何だよコレ。急に居なくて連絡取れないと思ったら合鍵返すって……納得いくはずないだろ?」
「それは私のセリフよ!とにかく暫くは会わないし、自分でよく考えなさいよ」
そう言って私は会議室の鍵を開けてオフィスに戻った。
もし元カノの言った事が本当なら陽はわかるはずだ。
あんなに幸せだったのに、今は一気に地獄に突き落とされた。
やっぱり私は男運がないんだ。
クリスマスは明日なのに、イルミネーション見に行こうって約束をしたのに、意味なくなってしまった。
初めて彼氏と過すクリスマスさえ叶わなくなってしまった。
どうにか仕事に集中し、残業が終わるとそのまま凪の家に帰った。