地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
結局はビールだけ沢山飲んで、時間だけがひたすら経っていった。
今頃は恋人達は幸せな時間を過ごしているんだろうな……。
何だか悲しくなってきた。
時刻は夜の九時になろうとしていた。
すると突然インターフォンが鳴り、私の体はビクッとした。
こんな時間に誰だろうと思い、玄関まで忍び足で向かった。
その間にもインターフォンの音が何度か鳴り、私は扉の覗き穴を見た。
するとそこには陽が立っていた。
何で居るの?暫く会わないって言った筈なのに。
「玲美、すぐ側に居るんだろ?俺にはお見通しだ!今すぐここを開けてくれ」
そう言われて私の体はビクッとなった。
何故わかるの……
だけど私は扉を開けなかった。
「そうか、そうか、玲美は開ける気ないなら俺にも考えがある。おーい、玲美、居るんだろ開けろ~」
そう言って陽は突然、大声でそう言い出した。
夜の九時過ぎにそんな大声で叫ばれたら近所迷惑になる。
私はたまらず玄関の扉を開けた。
「やっと開けてくれた……来て直ぐに悪いけどさ、近くの公園で少し話がしたいんだけど。ここで待ってるから先に上着を着てこいよ」
そう言われて私は部屋に戻りコートを着て玄関に行った。
それから二人で公園まで歩いて行き、ブランコに座った。