地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜



私がオフィスに戻って仕事を始めると、一緒に戻って来た若槻先輩と係長だったが、まだ怒られていた。
あの二人を見てると何だかコントしてるようにも見えてしまう。


午後からは返品処理を少しして、笹山くんに頼まれたサンプルが届いたのを一階の事務所に取りに行ったりと色々していたら、終業時間になった。


また残業で画像を撮り込むのか……。


先週は山岡主任の出張もあり会えなかったのに、今週は私の残業で会えないなんてついてない。


私は休憩する為に、自販機に飲み物を買いに行ったらちょうど帰って来たばかりの山岡主任と会った。


「お疲れ玲美」


「お疲れ様です」


「何飲む?奢るから好きなの押して」


「ありがとう」


私は山岡主任にジュースを奢ってもらった。


「日曜日……家に行ってもいいか?」


「えっ?来れるんですか?」


いつもは会えないのにどうしたんだろ?
とは言っても週末に会えるのは嬉しい。


「嫁がその日は友達と一緒に子供を連れて出掛けるから、夕方まで戻ってこないんだ。だから日曜日は嫁が家を出たら玲美の家に行くから。じゃあ俺は先にオフィスに戻るな。残業頑張れよ」


そう言って私の頭を撫でると山岡主任はオフィスに戻った。


暫くゆっくり会えなかったから、今から私はそれが嬉しくて一人でニヤけてしまった。





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