地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
私は家の中に入るとシャワーを浴びた。
笹山くんにキスをされると、山岡主任とは何度もしてる筈なのに、まだ唇が離れたくないと思ってしまう。
それに、山岡主任から離れられないのは凪も言ってたように、初めて体を重ねた人だからってのが一番強いかもしれない。
人を初めてこんなに好きになったからそう簡単には離れられない。
海の見えるレストランも、水族館で手を繋ながれてドキドキしたのも私には初めての事で、喧嘩っぽくなったりしたし、笹山くんにドキドキしちゃったりしたけど楽しかった。
こんな風に山岡主任とデートできたらなって思ってしまうと胸が苦しくて、今迄抑えていたのは何だったんだろうと思ってしまった。
明日は山岡主任が来るって言ってたし、きっと明日になればこの苦しみも消えちゃう。
私はシャワーを浴び終えて缶ビールを飲むと、歯磨きをしてそのまま眠りに就いた。
ーーーピピピッ
スマホのアラームの音で目が覚めた。
時刻は朝の八時。
私はベッドから起き上がり、顔を洗って歯磨きをした。
コーヒーを飲んで着替えると、メイクをした。
その後は部屋の片付けをし、洗濯を干し終わったら山岡主任から電話が掛ってきた。
「もしもし?」
『玲美?今から行くけどいい?』
「大丈夫だよ」
『じゃあまた後でな』
そう言って電話を切った。
日曜日に会えるなんてまずないから嬉しくなる。