地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜




会社の近くの定食屋に行って、二人で日替わり定食を頼んだ。


「若槻先輩、この前にも言いましたけど、明日も発注書がまだ少しあるみたいで朝に入力を頼んでもいいですか?」


「大丈夫だよ。商談の時は私も高瀬さんに頼んだ事もあるし気にしないの。私と係長が商談の時なんて、私が値引きをメーカーにしたりして、どっちが営業かわからないからね」


「そ、そうなんですか?」


「最初はちゃんと値引き交渉はするんだけど、メーカーがその商品はちょっと……みたいな感じで言われちゃうと少し考えちゃうから私が変わりに納得するように説明したら値引き交渉できちゃうんだけど、もう少ししっかりして欲しい」


係長とは商談はした事ないからわからないけど、山岡主任はちゃんと交渉してたから他の営業もちゃんと出来てると思っていた。


そんな話をして定食がテーブルに運ばれてきて、二人で一緒に食べた。


定食を食べ終わり、会計をしようと席を立ったら部長と係長が定食屋に入って来た。


「若槻さんに高瀬さん、珍しく外?」


「はい、今食べ終わったから会社に戻る所です」


「そっか、じゃあ二人ともよく頑張ってるからここは俺が出すから、午後からの仕事も頑張ってね」


「いいんですか?ありがとうございます」


二人でお礼を言って定食屋を出た。
相変わらず係長は若槻先輩を見ると、ソワソワしていたけど、若槻先輩はそんな係長を気にしてはいなかった。


私達は会社に戻ると、山梨さんと山岡主任が二人で会議室に入っていくのが見えた。


新商品のサンプルでも持っていくの手伝ってるのかな?なんて思い、私はそのままオフィスに戻った。




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