地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜




仕事も終わり、私は駐車場に向かった。


すると私より少し先に出た山梨さんが居た。


「あの……昨日に高瀬先輩と一緒に居た人が彼氏か何かしらないですけど、あの人に言っておいて下さい。確かに彼は誰が見ても見惚れるくらいイケメンですが、私は"ブス"じゃないって伝えといて下さい!ブスなんて生まれて初めて言われました。じゃあ失礼します」


彼女は言いたい事だけを言って車に乗って帰って行った。


私はてっきり山岡主任との関係を否定するのかと思っていたけど、陽に"ブス"だと言われた事が余程ショックだったんだろう。


何だか彼女らしいけど。


私も車に乗りエンジンを掛けた。


車を動かす前に鞄からスマホを取り出すと、凪からラインの返事が来ていた。


【本当に!?今日の夜に詳しく聞くからそのまま泊まります。ビールと摘みの準備お願いね?】


何となく凪が来て、そのまま泊まるだろうなっては予想はしていた。


凪には一番心配を掛けたから、話をしたら安心するだろう。


私は凪に【了解】と返事をして、車を走らせてスーパーで買い物をして家に帰った。


私は先にお風呂に入り、上がると摘みを作った。


お菓子の摘みも買っているけど、それだけじゃ物足りなくなりそうだから。


私が摘みを作っていると、家のインターフォンが鳴った。


玄関を開けると仕事が終って急いでシャワーを浴びて来たのか、凪は髪の毛がまだ濡れたままだった。


「いてもたってもいられなくて、仕事も今日は集中出来なかったよ。急いできたからゆっくり話が出きるね。取り敢えずビール飲もう」


そう言って凪は家の中に入り、リビングに向かった。


私も凪の後を追ってリビングに向う。


まだ料理の途中だったから、お菓子と缶ビールを凪に渡してテレビを見てもらうことにした。




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