地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
摘みを作り終えてテーブルに運び、私は冷蔵庫から缶ビールを二本取ると凪の隣に座った。
「もう中身が入ってないと思って新しいの持ってきたよ」
「ありがとう、じゃあまずは乾杯しよ」
凪がそう言って、私達は乾杯した。
「で、何があったの!?」
私が缶ビールから口を離すと、待ってましたと言わんばかりに聞いてきた。
「まぁ話せば長くなるんだけどねーーー」
そう言って私は凪に全て話た。
話てる途中で思いだすと、胸が苦しくなったりしたけど涙は流さなかった。
「やっぱり私の予想通り、山岡さんは悪い人だったね。でも私は安心したよ、これで玲美も苦しまなくて済むし、未来のある恋愛ができるね?それから後輩のイケメン陽くんが居たから、玲美は山岡主任にちゃんと逃げずに別れを告げる事が出来たし感謝しなきゃね」
「うん、陽が居なかったら逃げてまた流されてたかもしれないし感謝してる……」
「もう別れたんだし、陽くんと付き合ったら?陽くんは玲美の事が好きなんでしょ?」
「確かに顔は文句なしのイケメンだけど、好きにならなきゃ付き合えないよ……」
「でも恋に落ちるのも時間の問題なんじゃない?私には分かる!」
一人で顔を頷かせながらまた凪はビールを飲む。
私も摘みを食べながら飲んで、凪の話を聞いたりして楽しい時間を過ごしていた。