地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
「ごめんお待たせ」
そう言って山岡主任はオフィスに戻ってきた。
「別にいいですけど話は何ですか?」
「ちょっと待って、先に日報書くから玲美は戸締まりを頼んでいい?」
そう言われて私は戸締まりをした。
戸締まりが終わり待ってると、日報を書き終えたのか山岡主任はパソコンの電源を消した。
そして私の所に近づいて来てジッと私を見つめる。
前ならそれだけでドキドキしていたけど、今はそれすらない。
「玲美……今まで本当にごめん。あの日、玲美に別れを告げられてからずっと冷静に考えていたんだ。そして気づいたんだ、玲美が俺にとってどんな存在だったか。嫁を裏切ってでも側に居たかった存在で、玲美を好きな気持ちはけして嘘ではなかった。それなのに玲美を違う形で裏切ってしまって本当にごめん。だけど俺、どうしても玲美を忘れられない。まだ好きなんだ……」
そう言われた瞬間に抱きしめられてキスをされた。
私は抵抗したが力が強くて押し返す事が出来なかった。
そして私は山岡主任の唇を噛んだ。
「痛っ……」
「何するんですかっ!本当に最低ですね。もうお話する事は私にはありませんから」
そう言って帰ろうとすると山岡主任に腕を掴まれてそのまま床に押し倒された。
「な、やめてよっ!」
「いくら叫んでも誰も居ないから。なぁ玲美、本当はまだ俺が好きなんじゃないのか?体で思い出させてやるよ」
そう言ってスカートの中に手を入れてきた。
「い、いやぁぁぁー」
そう叫んだ瞬間だった。
オフィスの扉が勢いよく開いた。