地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
「何をしてるんですか……」
「笹山……これは違うんだ」
「違うって何がですか?玲美さん嫌がってるじゃないですか。山岡主任のしてる事は強姦ですよ」
「実は俺達、付き合ってるんだよ。だから強姦とかじゃないんだ。なっ、玲美?」
「付き合ってなんかないわよっ!」
私は山岡主任を睨んで言った。
「社長に電話するか警察に電話するかしかないですね、山岡主任?」
「そ、それだけは勘弁してくれ!もう何もしないしこの通り頼むっ」
山岡主任は土下座して私達に何度も謝った。
「もう二度と私に仕事以外で話しかけないで。次にこんな事したら会社にも警察にも言うから」
「わ、わかった、もう関わらないし話しかけません」
そう言って逃げるように帰っていった。
すると陽が私に近づいて来た。
「大丈夫か?たまたま得意先に呼ばれて会社に寄る用事があったから来たらこんな風でマジで焦った」
そう言って私を抱きしめる。
「アイツも本当に懲りないよな……嘘を平気でついて騙してたにも関わらず、本当に最低だな」
その言葉を聞いて私を抱きしめている陽の体を、私は思いっきり突き放した。