地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
この先もずっと
陽と付き合うことになったのはいいけど、月曜日に会社に行くとこれでもかと言うくらい忙しかった。
山岡主任はあんなことをしてしまってからか、私と陽とは目を合わせることなく黙々と仕事をしていた。
十二月に入りバタバタとした毎日を過ごしていたけど、私は幸せだった。
凪にも陽と付き合うようになった事を話すと、物凄くよろこんでくれた。
そして陽と付き合うようになって三週間が経った土曜日。
今日は陽のマンションに泊まりに行く。
先週に初めて陽の家に泊まりに行ったんだけど、物凄く緊張した。
陽には緊張しすぎだろ?って笑われちゃったけど仕方ないよね、だって男の人の家に泊まるのとか初めてなんだもん。
それに来週のクリスマスも平日で仕事だからゆっくりも出来ないけど、それでもデートしようって言ってくれたし、こんなに幸せでちょっと怖いくらいだ。
会社も倉庫に荷物が溢れるくらい入ってきて、毎日トラックから大量のお菓子が運ばれてくる。
土曜日は少なめなんだけど、平日は凄い量だ。
仕事が終わる前に陽から会社に電話が掛かり、私はその電話に出た。
「お疲れ様です高瀬です」
『お疲れ玲美。今から言う商品と数量を紙に書いてくれる?』
「はい」
私は得意先と商品名と数量と納品単価と売価を紙に書いた。
『今言った商品を水曜出荷の木曜納品で月曜日でいいから入力しといて。メーカーには連絡ついて話はしているなら』
「はい」
『それから今日はいつもより遅くなりそうだから、この前に渡した合鍵で先にマンションに行っていて』
「わかりました」
そう言って電話を切った。
仕事の用事以外の会話に少し嬉しくて顔がニヤけてしまった。
私はさっき紙に書いたやつを発注書に書き直して、月曜日の朝に入力できるように引き出しにしまった。
そして仕事も終わり、今日は残業なしで帰れた。
私は一度家に帰り、用意をして陽のマンションに向かった。