ブラッド
第22章
     22
 日々ヘトヘトになる。


 俺も伊里町も署の捜査本部に戻ると、事務作業を終えて、自宅へ戻った。


 そして軽く食事を取った後、入浴し、眠る。


 秋の夜は長い。


 だが、あっという間に朝が来て、午前7時には起き出すのだ。


 確かに毎日疲れていた。


 篠原も羽野も下古毛も、悪いヤツらは逃げのびている。


 もちろん、解決しない刑事事件などない。


 個人的にそう思っていた。


 それにいろんなことを考えるにしても、刑事の場合、現場が一番だ。


 金子雅夫や工藤隆明が殺害された場所に行き、入念に見る必要がある。


 もちろん、いろいろ感じるのだが……。


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