ブラッド
 だが、このまま事件捜査が続けば、いずれぶつかり合うだろう。


 怯えている。


 悪い予感に。


 特に下古毛のように、G県警の組対課の元刑事が、警視庁組対部長の楠村と通じていることは考えたくない。


 身内で不正に手を出す輩がいることほど、危ないことはないからだ。


 警察官は一般人に対し、範を垂れるべき存在であるのに。


 だが、しばらく伊里町と共に捜査を続けようと思った。


 いくら焦っても仕方ないので。


 二日後の火曜の朝も、自宅マンションの寝室で起きると、体が重かった。


 だるい。


 もちろん、そうも言ってられない。


 キッチンでコーヒーを一杯淹れて飲む。
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