ブラッド
 捜査本部は刑事課内に設置されているのだが、多数の警官が集まっていた。


 一課のデカに、暴対や組対の刑事もいる。


 同僚たちを見ながら、感じることは多い。


 ここにいる刑事は大半が稼働しておらず、指揮系統はバラバラだ。


 パソコンを立ち上げて向かい、キーを叩く。


 朝の事務作業を行う。


 やがて伊里町がフロアに入ってきて、


「佐山、行くぞ」


 と言ってきた。


「はい」


 そう返し、立ち上がって歩き出す。


 三容疑者は逃げ続けていた。


 刑事事件のホシとして。
< 146 / 349 >

この作品をシェア

pagetop