ブラッド
午前9時になると、伊里町が来る。
互いに慣れていた。
デカ同士、刑事事件の捜査に。
その日も外回りに出る。
相方がハンドルを握って、運転しながら、
「佐山、ずっと捜査してるけど、篠原も羽野も下古毛も蒸発したみたいにいないな」
と言ってきた。
「ええ。……でもここは粘るべきです。ホシは必ず警察の前に姿を現しますから」
「そう?確信はあるのか?」
「はい。――根拠はありませんけど……」
弱腰になっても、一応主張する。
もちろん、事件のホシが現れるかどうかは、よく分からない。
刑事も人間だ。
互いに慣れていた。
デカ同士、刑事事件の捜査に。
その日も外回りに出る。
相方がハンドルを握って、運転しながら、
「佐山、ずっと捜査してるけど、篠原も羽野も下古毛も蒸発したみたいにいないな」
と言ってきた。
「ええ。……でもここは粘るべきです。ホシは必ず警察の前に姿を現しますから」
「そう?確信はあるのか?」
「はい。――根拠はありませんけど……」
弱腰になっても、一応主張する。
もちろん、事件のホシが現れるかどうかは、よく分からない。
刑事も人間だ。