ブラッド
 揃って署を出、駐車場に停めてあるタクシーに乗り込む。


 そして捜査へと出た。


 外回りが始まる。


 屋外は冷え込んだ。


 面パトで走りながら、犯人捜索を続ける。


 膠着状態だ。


 ホシが見つからないまま。


 だが、いつも思う。


 解決しない事件などないと。


 何事にも何かしらの決着が付くのだ。


 俺自身、そう考えていた。


 一つの事態が永続するなど、人間社会には有り得ないことである。


 そういったことが人生経験上でも分かっていた。
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