ブラッド
第64章
     64
 ずっと外回りが続く。


 署の捜査本部に戻ってきてからは、報告書などを付けていた。


 疲れている。


 だが、日々活動し続けた。


 そしてまた時が流れ、一週明けて、金曜になる。


 その日も朝は帳場のデスクで事務作業をしていたのだが、午前9時過ぎから出かけた。


 伊里町が愛車のタクシーを出し、揃って外へと出る。


 街は春の陽気で暖かく、雨や雪などの心配は一切なかった。


 走り続ける。


 街をずっと。


 心配事などはあったが、最後のホシである下古毛充を見つけ出さないといけない。


 自分にそう言い聞かせ、活動し続けた。

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