ブラッド
 だが、いつかは事件が解決するものと自分に言い聞かせて、歩み続ける。


 連日、相方運転のタクシーに乗り込みっぱなしで……。


 その日も伊里町は午前9時を回る頃に来た。


 共に捜査に出る。


 従流会に対する暴力団捜査は、暴対のデカたちに任せていた。


 マル暴は専門なのだから……。


 相方は運転席に乗り込み、助手席に俺が乗ったことを確認すると、エンジンを掛けて、走らせる。


 確かに伊里町も横顔は冴えなかった。


 疲れているのだろう。


 日々同じことの繰り返しで。


 だが、警察官の日常など、そんなものだ。


 ましてや俺たちはデカでも下っ端である。

 
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