ブラッド
「やっちまったな」


 と言う。


 デカたちは駆け足になり、救急班の担架も来た。


 下古毛は銃撃の結果、死亡したようで、おそらく不起訴となるだろう。


 凶悪犯の最期は呆気なかった。


 刑事たち複数名に撃たれて。


 血が流れる結果となったのだが、こうなることはある程度想定出来ていた。


 撤収する。


 署の帳場へと。


 捜査は被疑者三人の死亡で、藪の中となる。


 篠原陽三も羽野和夫も、そして下古毛充も最後まで警察を敵視したまま、人生を終えた。


 まともな方法を考え付かなかったのだ。


 弁明することもなく。

 
 
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