ブラッド
「とんでもねえ野郎どもだ。デカの手、煩わしやがって」


 相方が箸を使い、食事を摘まみながら言う。


 なるだけ冷静さを装っていた。


 だが、だんだんとヤツらのやり方の汚さが目に付くようになる。


 人を二人葬っておいて、平然としやがって。


 こっちが殺してやりたいぐらいだった。


「俺たちは殺しの方、担当だ。物品関係は組対に任せよう」


「暴対はどう出ますかね?」


「ああ。あの連中は、いざとなれば組員検挙とガサ入れでもやってもらえばいい。相手するな」


 伊里町は結構、頭の中でいろいろ組み立ててるらしい。


 それにしても、篠原や羽野、それに他の構成員たちを見ていると、従流会はとんでもない組織だと思う。


 G県を拠点とし、構成員は二百人以上いる。



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