ブラッド
 あちこちに散らばり、いろんな悪事を働いてるようだ。


 県警は長年、従流会と敵対してきた。


 特に“暴対”と通称される暴力団対策課は、常に構えて、組の内情を探ってきたらしい。


 篠原陽三は写真で見る限りでは、一際胆が据わった、いかにもマルBといった感じだ。


 禿げ頭はいずれスキンヘッドにし、背中にタトゥーでも掘るつもりだろう。


 羽野和夫も似た者である。


 いかにも仰々しい顔をしている。


 さて、どう料理してやるか?


 そんなことを腹の底で考えていた。


「佐山」


「はい」


「殺人犯二名の後始末は暴対に任せろ。俺たちはヤツらのやった殺しを追う」
 

 伊里町が念を押してきた。


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