ブラッド
「ええ。……ですが、従流会関連だと、気が重いですね。いつ警察に報復があるか、分かりませんし」


「気にするな。いくらマルBでも、俺たちの組織力とか捜査活動を覆すことは出来ねえ。……佐山、気入れろ!」


 伊里町が発破をかける。


 その日の午前9時過ぎから捜査会議に臨んだ。


 二件の事件の殺害の際の状況証拠などばかりが挙がり、肝心の捜査にターゲットが
絞れてない。


 それだけ、警察も情報不足、力不足ということだ。


 会議室を出ると、伊里町が背後から、


「佐山、今から出るぞ。すぐにタクシーに乗り込め」


 と命令する。


「分かりました」


 頷き、車両の停まっている警察の敷地内の公共駐車場へと向かった。
< 51 / 349 >

この作品をシェア

pagetop