ブラッド
 タクシーはフル稼働だ。


 相方はハンドルを握り慣れている。


 日曜を挟み、週明けも捜査を続けた。


 夜間は蒸し暑くて、眠り辛い。


 稀に市販されている睡眠導入剤を使って、無理やり眠ることがあった。


 本来なら病院に掛かった方がいいのだが、仕事上、時間がない。


 水曜の朝も通常通り、帳場に出勤する。


 フロアには常に数人の刑事がいて、皆、真剣な目つきだ。


 捜査一課のデカに、暴対・組対所属の捜査員も揃う。


 事件が従流会絡みなので、マルB担当刑事がゴロゴロ集まってしまう。


 俺自身、一課の人間なので強盗や殺人などを扱う。


 だが、今回の金子雅夫・工藤隆明連続殺人事件は、単なる殺しとは思えない。


 何かが背後にある。



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