ブラッド
 変わることなくずっと。


 この捜査はいい加減、埒が明かない。


 下手すると、無限に続く。


 昼になり、正午前に伊里町と街の定食屋で食事を済ませた。


 すると、タクシーに入電がある。


「伊里町警部補、佐山巡査、急いで捜査本部に戻れ!」


「はいはい。分かりましたよ」


 相方はそう言い、無線をオフにして、車を帳場のある所轄方向へと出した。


 事件への警察の対応が後手に回ったな。


 そう直感する。
 

 タクシーは午後1時前に署に戻った。


 署内に入り、捜査本部へ行くと、集まっていたデカたちは皆疲れきった顔をしている。


「どうかしたんですか?」
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