ブラッド
 よほど警察を激怒させたいのだろう。


 今に見てろ。


 化けの皮、引っ剥がしてやるからな。


 伊里町が俺を助手席に乗せ、タクシーを出した。


 ちょうどその週の木曜の朝で、太陽は眩しい。


 G市内は晴れ渡る。


 街は今日も人で溢れ返った。


 雑踏がいろんな感情を煽り立てる。


 二年前の警官惨殺事件。


 手口は改造銃による銃殺だった。


 G市中枢にある雑居ビル内で、一発の銃声が聞こえたのと同時に、事件が起こったのである。


 ビル内には撃たれたマル被の三宅の死体が横たわり、体に銃弾が着弾して、傷跡か
ら血液が溢れ返っていた。




< 67 / 349 >

この作品をシェア

pagetop