ブラッド
 もちろん、裁判等になれば、段野も周辺の人間たちもガードを固めてくるだろう。


 闇の世界だ。


 たった一発で三宅を仕留めたのが、こういった結果になる。


 ずっと事件の一端を思い浮かべていた。


 姿を消した下古毛を警察は追跡中である。


 腐れ刑事だ。


 組対にいて、従流会という悪に手を貸すなど。


「佐山」


「はい」


「目の前の捜査に集中しろ。余計なことは念頭に置くな」


「分かってます」


 伊里町が真正面から言ってきた。


 頷き返し、現場近辺を見る。



< 74 / 349 >

この作品をシェア

pagetop