ブラッド
 暇はない。


 ちょうど週が一つ明けた水曜も、外は炎天下だ。


 ずっと動く。


 辺り一帯を。


 金子雅夫・工藤隆明殺害事件は、捜査が進捗を見せてない。


 ヤマが動かないまま、硬直する。


 警察は従流会とデッドヒートになる。


 混戦が続くだろう。


 だが、捜査の最前線にいて、見出せるものが少ない。


 同時に警察は蒸発した下古毛を捜す。


 二年前の段野の事件から、ヤツは消えている。


 おそらく帳場では今頃、一課と暴対、組対で揉み合い、画策しているだろう。


 まあ、これも一つの展開だ。


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