ブラッド
 そして伊里町が来るまで、事務作業する。


 確かに仕事はきつい。


 だが、いったん請け負った案件は片付けないといけない。


 そう思い、日々頑張っていた。


 伊里町が午前9時過ぎに来て、


「佐山、行くぞ」


 と言ってくる。


「ええ」


 頷き、デスクの椅子を立って歩き出す。


 だるいのだが、外勤だと、身が引き締まる。


 俺たちは殺人犯の篠原と羽野、それに組対のデカで、従流会の段野に改造銃を横流しして、元警官の三宅を撃たせた下古毛を追っていた。


 警官殺しに警官が関わっている。

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