嘘つきトライアングル


周りのクラスメイトが

「何だ?こいつら。」

という目を私たちに向けていた。




「何してんだろな。俺ら。」


「だね。」


『変わってなかった。正直みんな覚えてないかなと思ってたの。だから嬉しかった。ありがとう。』


「そりゃな、そう簡単には忘れないだろ。
あ、でも日向【僕】じゃなくて【俺】になったよな。あの頃は「…僕、僕」って泣き虫だったくせに。」



翔が悪戯っぽく笑うと日向は顔を紅潮させて言い返した。


「当たり前だろ、高校生にまでなって自分のこと僕、僕って言えるかよ!
それに泣き虫は克服したからな!」





日向の言葉に周りがシーンとなる。


「バカ日向。声がでかいの。」

美月は日向をバシッと叩く。


「う…痛いです、美月サン。」




そんな2人を見て翔が笑った。

つられて私も笑う。

日向も恥ずかしそうに頭をかきながら笑い、

美月も口に手を当て肩を震わせる。






こんな風にみんなで笑いあえる楽しい時間が好きだった。

ずっと待ってた。


私はこのメンバーが好きだ


翔、美月、日向が好き


と改めて思ったんだ。



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