嘘つきトライアングル


『あ、あとね、帰りにワンちゃんいなかった、ダンボールごとなかった。
良い飼い主さんに拾われたのかなぁ。』


あ、犬。
すっかり忘れてた。

まぁ、いなかったなら誰かに見つけられたんだろう。


「良かったな。」


『うん!!』


っていうか何でそんなに嬉しそうなんだよ。
飼いたかったんじゃないのか?

まぁ、諦めついてるんならいいか。






「じゃあまた明日。」


『うん、おやすみ〜。』


おやすみにしてはまだ早い気がするけど…


「おやすみ。」



俺は窓を閉めるとベッドに大の字に寝転がった。


「そういえばこの窓開けるの久しぶりだったな。」


俺と結衣の部屋はマンションの外側の窓がある場所になっていて
窓を開ければお互いの声が届くくらいの距離だし手を伸ばせば叩ける
昔はよく暇つぶしにしりとりとかしてたっけ?

最近は特に用がなかったから開けることはほとんどなかった。




あぁ、でもこれも俺たちの母親のせいなんだよな、とんだ迷惑だ


家が近い幼なじみなのも偶然じゃない
すべて最初から仕組まれていたこと



うちの母親たちの頭の中は一体どんなお花畑になっているのやら…

知りたくもねーけど。


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