嘘つきトライアングル
お助けヒーロー
【結衣side】
『…や、やめてください!』
「そんなこと言わないでさ〜。マネージャーなんてどこの部活でも一緒でしょ?」
違う、私は翔がいるから、日向がいるからバスケが良いのだ。
そんな簡単に他の部活に目移りしたりなんかしない!
どうやったら諦めてくれるの?
『離して…』
視界がだんだんくすんできて泣きそうになるのを必死に堪えた。
泣いちゃ…ダメだ。
絶対ダメ。
その時
「おい、手を離せ!!」
誰かが私を庇うように男の子たちの前に
立ち塞がり私の肩から置かれていた手をバチンっと払いのける。
「いっ…てー。何すんだよ。」
『…え?』
恐る恐る顔を上げるとそこにいたのは…
『か、け、る…なんで?』
「こいつ俺の連れなんで気安く触らないでくれますか?」