嘘つきトライアングル


「なぁ今日何の日か分かってんの?」


『もちろん、知ってるよ。入学式!』


「じゃあ、それって何時から?」


『8時半でしょ?』


翔はため息を吐いてやれやれという風に腕時計を見た。



「今何時か分かります?8時15分!
俺はどうあれ運動不足のお前があと15分で学校にたどり着けるとは思えないけど。」



『えぇっ?!』

腕の中にいる子犬が私の声にビクッと反応した。


確かに時間に少し余裕があっただけで
私こんなにのんびりとしている時間はなかったんだった!!




『どうしよう…!ワンちゃん。』


「とりあえず学校には連れて行けないからまた帰りにいたら考えよう。」


『うん、分かった。』


私はしぶしぶ子犬をダンボールに戻すともう一度頭を撫でた。



『ごめんね、良い飼い主さんが見つかるよ。きっと。学校行ってくるね。』


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