life
第一章 始まり。
「ミーーーンミンミンミンミーーーーーン」

ーーーー炎天下の下の本屋ーーーー

「あー、あっちいー、アイス食いてぇー」
健太はうちわであおぎながら言った。

「おい!ばか!店長きたら怒られるぞ?!」
事務室の方を気にしながら恐れ気味にレイジは言った。

健太「もーさー、俺ら入学してからバイト初めて2年もたってんだぜ?稼いだ金の使い道もねえし、どっか遠くでも行きてーなー」

レイジ「バカいえよ、こんな田舎人が都会に出たって世界が違いすぎて逆にやることねーぞ?この金は貯めて大人になったら使うんだよ。」

健太「大人になったら…って、俺ら大人になっても使い道ないじゃん。彼女いねえし結婚なんてできねーよ」

レイジ「何言ってんだよ。そんなんこれから作りゃいいじゃん!俺は幸せな家庭を築くんだ~」

健太「作るってったって俺ら男子校じゃん。無理じゃん」

レイジ「…」

健太「おいおい、そ〜落ち込むなよ。お前には俺がいるだろ?」

レイジ「んー…」

健太「なんだよそれ、悲しいなぁおい」

レイジ「…」

健太「レイちゃん?どうした?」

レイジ「…あのさ…こんな街出ない?遠く行って2人で暮らさない?」

健太は耳を疑った。

健太「は!?!!?お、お前!!何言ってんだよ!!ばかじゃねーの!?!」

レイジ「いや!どーせ金の使い道もないんだし、今まで稼いできた金があればくらせるよ!きっと!行こう!」

健太は考えた。

健太「…でもよ、母ちゃんとかになんていうんだよ。(はっ!?しまった!!!)」

そう、レイジは幼い頃に両親がなくなり、姉と二人暮らしだった。

レイジは真顔で言った
「俺は母ちゃんいねーから姉ちゃんに言うだけだけどよ。言うだけ言ってみろよ?」

健太はホッとした。
「そーだな、言ってみるか。」

レイジ「うん!!」

次の日の朝、教室に行くと健太の姿があった。

レイジ「健太~!昨日のヤツ聞いた?」

健太は下を向いていた。

レイジ「健太?」

健太は顔を上げニヤリとしながら言った。

「ニヒヒ~ン、いつ行く?どこの高校に転校する?!どこのアパート住む!!??」

レイジと健太は息を合わせて言った。

「よっしゃー!!計画立てるぞー!!」

これが2人の夏の始まりだった。
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