【短】嘘つきなキミの裏顔
嫉妬心 ─快side─
ヤバい……。
いつものように、からかって『毛虫がいる』って言っただけなのに。
まさか、抱き着いてくるとは思わなかった。
焦った……。
マジで、ああいうの心臓に悪いからやめてほしい。
けど、杏にとっては“俺だから”じゃなくて、“そこにいたから”なのか……?
そんなことを考えると、だんだんイライラしてきて、どうにかなりそうだ……。
杏をもっとイジメて、困らせてやりたい。
けど、他のヤツに触れられてたら……そいつぶん殴りてえ。
って、全然担任来ねえじゃん。
ふと、黒板を見ると普通に“自習”と書かれていた。
なんだ、自習か。
ちょうどいい。
眠たいし、寝よ……。
顔を伏せ始めたとき、廊下がザワザワと騒がしくなった。