三次元のキミに恋をして。
「あと、自分の好きなものには誇りを持たないと、かわいそうだろ?」

彼は、またにっこりと笑った。

その笑顔が、小学生の私の胸に焼き付いた。

。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+:✿。.゚+

あの日からすぐに、夏休みに入ってしまって向井君にお礼が言えていなかった私は、学校に来てすぐに言おうと思ったんだけど...その日から、向井君は学校に来なかった。

そして、数日後に転校したことを知らされた。

胸にはポッカリと穴があいたような感じがした。

「ありがとう」

って一言が言えなくて。
それが、とても悔しかった。


いつか、また会えるのなら、
「ありがとう」の一言を────



向井君がいなくなった今、私が感じてるこの気持ちの正体がわかる日はくるのかな。

また、君に会える日まで、君がくれた言葉を胸に私は生きていこう、そう思った。
< 2 / 24 >

この作品をシェア

pagetop