☆お見舞いに来てください☆

「…………」


それは突然の出来事だった。

だけど、その瞬間何かを思い出しそうなパァっとした感覚が優花の脳裏を駆け巡った。


「…昨日、俺はこうして突然佐野に唇を奪われたんだよ」

「…へっ…」

「飲み会の帰り際、酔っぱらったお前を送る途中、雨が降ってるのにもかかわらずタクシーから無理矢理降ろされた俺は佐野に言われたんだよ」


《好きです》

《私のことを女として見てくださいって》


うそ……

私は主任のその言葉に信じられない気持ちで凝視した。


だけど……、どうしてか覚えてるその言葉。

まだ記憶はハッキリとではなく曖昧だけど、主任の言葉は間違ってはいない、と思う。

そして主任に見つめられるたび、じわりじわりと甦えってくる優花の記憶。確かにそうだ。そう言った自分がいるのかもしれないって…





そうだ!わたし…

あの雨の中、酔った勢いで主任に告白しちゃったのかもしれない。

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