☆お見舞いに来てください☆
「璃子さん、璃子さん」
水嶋は何度も彼女の名前を呼んだ。
嬉しさと比例して彼女を抱き締める力が強くなるのは当然、欲情という名の男の欲望。
「やっと僕のものに……、もう離しませんよ」
「…んっ……」
熱いキスを繰り返す。
そして名残惜しく唇をいったん離した水嶋はふっと目を細め、そのまま璃子を横抱きに抱き上げた。
その瞬間「きゃっ…」と璃子の声が届いたが、それさえも可愛い。水嶋は構うことなく彼女を奥の部屋へと連れていく。
目的の場所はやはりベッドルーム…
「み、水嶋さっ……」
「今日はこのまま泊まっていってくだい。いや……、もう帰せません」
甘い言葉を吐き、彼女をいたわるようベッドへ座らせた。
「今は離れたくない。このままあなたを愛させてください」
「ーーっ……」
そんな切羽詰まった眼差しで言われたら嫌だなんて言えない。
顔から火がでるほど恥ずかしいのに、それを拒むという選択技は璃子にもなかった。
その手に触れたい。触れてほしい。
ずっと我慢してたのは璃子とて同じ。
「…わ、たし……」
「大丈夫です。大事にします」
まるで壊れ物に触れるよう額にキスされる。
そのままゆっくりベッドに倒されれば、この後に起こりうる甘い一時を思い浮かべ、嫌でも想像してしまう。