☆お見舞いに来てください☆

完全に目が開けられ、こっちに向いた瞬間、私はおもいっきり頭を下げた。


「ご、ごめんなさい!」


部屋全体に響く声。

けど、私は正直謝り慣れている。

今までの24年間、私はそういう人生の繰り返しだったから。

私だってバカじゃない。

酔っていたとはいえ昨日のことはちゃんと覚えてる。

自分がどんな風に迫り、彼に抱かれたのを。

むしろ都合よく忘れられたら良かったのに。

ドラマや漫画のように何も覚えてません、的な展開ならまだ少しは救われたのかもしれない。


「朝から元気がいいね」


完全に起き上がった先生が軽く欠伸をし、サイドボードに置いてあった眼鏡をかける。

その瞬間見えた筋が入り引き締まった腹筋。ほどよく鍛えられた肉体美を前にして顔を赤らめてしまったけれど、
そんな私を見て先生はクスリと笑った。


「朝起きてすぐ謝られたのなんて初めてだなぁ。ていうより、俺達って謝ることしたの?」


覗き込む視線が…痛い。

清々しい眼差しは今の私には毒だ。

なのに彼は正反対。

どうしてそんなに冷静なの?

見つめてくる視線は嬉しそうだ。
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