☆お見舞いに来てください☆
今貯金はいくらぐらいあったけ?
コツコツと貯めてきたから、それなりにあるとは思うけど。
ただ主任が受けた精神的苦痛がいくらぐらいになるのかは想像もつかない。
ハラハラと、優花がそんな風に切羽詰まった思いを巡らせていると、主任が正反対にふっと緩やかに笑った。
「でも、正直以外だったけどな。いつもとは違う佐野を見れて俺は嬉しかったけどね」
「えっ……」
「例えあの言葉が酔った勢いだけだったとしても、俺的にはグッとハートを捕まれたって言うか、すごく新鮮だったよ」
優花は思わず主任を見つめ返した。
そして主任も何故か私を真っ直ぐ見つめてくる。
ドキリ…
それが何とも不意討ちで、お互いの空気が変わっていく。
さっきのピリピリとした空気とは一変、穏やかな雰囲気に生まれ変わると、主任がそのあと真剣な顔で私の右手をぎゅっと握った。
「一つ聞いてもいいか?」
「あ、はい」
「昨日の言葉はやっぱり酔った勢いなのか?それとも佐野の本心?」
「あ、えっと、それは……」
受け答えに困ってしまった。
思わず動揺で瞳が揺らぐ。
これは…、言っちゃってもいいのだろうか?
どさくさに紛れて告ってもいい?
OKなの?
主任に視線を合わせると、とても真面目な顔をした主任に釘付けになってしまう。