☆お見舞いに来てください☆
ただ、残念ながら彼は私のことを部下以外には思ってない。
異性として魅力を感じてるのかも微妙だ。
どうやったらあんな人とお近づきになれるのか、はっきり言って私にはハードルが高い。
今年でもう28だし、今までそれなりに恋愛経験はあるものの、いつも失敗ばかり。
今までろくな男と出会ってないせいか、ここ最近はめっぽう恋愛に自信を無くしてしまっていた。
「こんな時、主任が優しく看病してくれたらなぁ」
淡い願望が脳裏を支配する。
優花大丈夫か?とか言って優しく笑ってお見舞いにでも来てくれたならそれはもうハッピー。
幸い主任には現在付き合ってる相手もいないみたいだし、こんな私にでもまだ数ミリのチャンスはあるのかも…
「はは…」
自分で言ってて何だか寂しくなってきたわ。
限り無くゼロに近い可能性にいい年した女が何夢見がちなことを考えてるんだか。
こりゃあ、あれだな。
ハルやんの昨日の幸せオーラに私もうっかりやられてしまったのかもしれない。
「バカバカしいからもう寝よ…」
それより今はこの苦しさから解放されたい。
せめて夢の中に主任が出てきて幸せな気分にさせてほしい。
優しく頭を撫でて欲しい。
優花は意識が遠退く中、そっとささやかな願いを込めた。