☆お見舞いに来てください☆
手を繋ぎ、二人して仲良く夜空を見上げた。
ちょうど最終のクライマックスに入り、花火が連続で打ち上げられていく。
「なんかいいとこ取りだよね。案外ラッキーかもしれないよ」
「ですね。実は私も思ってました」
クスクス笑い合い、先生の体に寄り添った。
甘えるように身を寄せる。
すると先生は繋いでいた手を離し、今度は私の腰を引き寄せる。
ホッとする。
最初は友達の友達だった。
だけど気付けばこんなにも大切な存在になっている。
きっかけはほんの些細なことだった。
気付けば彼はいつも隣にいてくれた。
側で寄り添い私の話を聞いてくれた。
助けてくれた。
ずっと私の味方でいてくれた。
それを思い返すと無性に愛しくなり、彼の存在自体が私にとって生涯忘れられないほどの宝物なんだと気付く。
もうきっと彼無しでは生きていけないかも、とか。少し大袈裟な発想までしてしまう私はとても幸せなんだ。
そう自然と思えた時、彼の腕がより強く私の腰を引き寄せた。
「未来」
花火が最後の勢いを増すと先生はとても真剣な声で私の名を呼んだ。
「愛してる」
一瞬花火の音が聞こえなくなった。
心臓が止まる、という感覚を初めて知った気がする。
目を見開いたまま彼の方に視線を向けると、熱い思いを宿した眼差しが私を真っ直ぐ見下ろしている。