☆お見舞いに来てください☆

「愛してる」


もう一度囁くように言われると、せっかく落ち着いたばかりの涙腺が緩みだしそうになる。
それと同時にすごく大切なことを言われそうで思わず姿勢を正し身構える。


「俺はここで一生未来ちゃんを愛することを誓うよ」

「先生……」

「俺には見えるんだ。未来ちゃんとの将来が。未来ちゃんといつまでも笑って過ごしていく未来がね。そこには俺達の子供もいてさ。年をとってもお互いを思いあえる姿が不思議と俺には見えるんだ」


「ちょっとキザだったかな?」なんて笑う先生に目を奪われる。
私は溢れそうになる涙を堪え、顔を横に振った。
こんな最高の言葉を今まで貰ったことがない。


「だからこれからもよろしくね。とりあえずこれは仮の誓いってことで。今此処で宣言します。未来ちゃんを一生大事にしたい。ずっと側にいて?未来ちゃんと最後の時まで笑い合っていたいんだ」


何も考えることはなかった。
すぐに答えは出た。


「…こ、こちらこそ宜しくお願いします。こんな私でよかったらずっと隣にいてくださいっ」

「喜んで」


見つめ合い微笑み合った。
そして二人の距離が縮まり、何度めかの唇が触れた時、最後の打ち上げ花火が終わりを告げた。

静寂な夜空に戻り、私達の息遣いだけが熱く鮮明に聞こえてくる。

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